AMLポリシー(マネーロンダリング防止方針)

1. 序文とポリシーの目的

株式会社プリオリンク(以下、「当社」といいます)は、シンガポールの資金送金業ライセンスを有するManual-Arts Pte Ltdと共同で、海外の教育機関への教育資金送金を支援するサービス「さくらリンク」を運営しています。

本ポリシーは、当社が提供する教育資金送金サービスにおいて、マネーロンダリングおよびテロ資金供与のリスクを適切に管理・軽減し、関連法令に準拠するために策定されたものです。

2. 適用範囲

本ポリシーは、当社および提携先であるManual-Arts Pte Ltdが共同で運営する教育資金送金サービスに従事するすべての役職員、関係スタッフ、並びに関連業務に適用されます。

3. 法的背景と準拠法

当社は、主に以下の法令および規制に準拠したAML対策を実施します:

・日本の「犯罪による収益の移転防止に関する法律」
・シンガポールの関連金融規制(Manual-Arts Pte Ltdによる準拠)
・国際的なAML基準(例:FATF勧告)

4.仕向・被仕向送金における業務分担の方針

当社およびManual-Arts Pte Ltdは、送金の性質に応じて以下のように業務を分担する。

【仕向送金(送金元:日本 → 送金先:海外教育機関)】
KYC:Manual-Arts Pte Ltdがライセンス保持者として受取人の確認・管理を主導し、当社はさくらリンク利用者のKYCを実施、2社は必要に応じて補完的な情報を提供・共有する
送金執行:Manual-Arts Pte Ltdが学校等への送金を実行
記録・報告:主要な取引記録および報告責任はManual-Arts Pte Ltdに帰属し、当社も適用範囲内で記録を保持する

【被仕向送金(送金元:海外 → 受取先:日本の教育機関)】
KYC:Manual-Arts Pte Ltdが送金人情報を取得・管理し、当社は日本側の受取人(教育機関)の確認・補完情報を保持
送金執行:当社が日本国内での教育機関への資金分配を実行
記録・報告:取引全体の整合性を維持するため、双方で情報を共有し合い、必要に応じて報告義務を履行する

5. リスクベースアプローチ(Risk-Based Approach)

AML/CFT(アンチマネーロンダリング/テロ資金供与対策)に関するリスク評価書を利用者の属性(年齢、国籍、資金出所)、送金先国、取引額等に基づいて作成・維持しており、このリスク評価は原則として年1回、または製品、サービス、顧客、地理的対象などに大きな変更があった場合に見直し・更新されます。

リスクの評価に変更が生じた場合には、コンプライアンスプログラム自体も必要に応じて改定されることがあります。

業界のベストプラクティスおよび標準に従い、コンプライアンス責任者は、この文書化されたリスク評価およびプログラムを、原則として年1回、再確認を行う。

6. 顧客確認(KYC)取扱・手順

当社とManual-Arts Pte LtdはKYC情報をそれぞれの環境で保管・管理する。情報の不一致を防ぐため、定期的に照合を実施し、更新時には双方で共有する。全てのデータはアクセス管理と暗号化により保護され、関連する個人情報保護規制に準拠する。

当社では、以下のプロセスによりKYC(顧客確認)を実施します:

1. 利用者による本人確認書類のアップロード(マイナンバー、パスポート等)
2. 社内審査部門による書類精査
3. 本人確認および資金の出所に関する確認
4. 問題がなければ送金手続きに進行

法人顧客の場合は、法人登記簿や実質的支配者(UBO)の情報も確認対象となります。

7. 実質的支配者(UBO)の確認

法人の申請者に対しては、25%以上の議決権・持分を保有する実質的支配者を特定し、その身元と関係性を確認します。また、資金提供者と送金先教育機関との関係性の整合性も確認します。

8. 教育資金の合法性確認

本サービスでは、送金される資金が授業料、寮費、教材費などの教育目的に限定されることを前提としています。利用者には送金目的を申告していただき、必要に応じて学費請求書や入学許可証等の補足書類を求める場合があります。

9. 取引モニタリングと不審取引報告

AML(アンチマネーロンダリング)およびCFT(テロ資金供与防止)対応の一環として、リスクベースの取引モニタリング体制を整備しています。この体制は、教育資金送金という特性を踏まえ、透明性と健全性の確保を目的としています。

KYC(顧客確認)を完了した顧客について、その後の送金取引を下記の観点からモニタリングします。

取引量:ある顧客による1日または1週間あたりの送金件数
取引頻度:短期間に集中する連続送金(例:1週間で5回以上)
取引金額:一定金額(例:50万円、100万円)を超える送金や年間累積額の突出

明確な違法性が確認されていなくても、「正当な説明が得られない取引」「通常の教育資金の流れから逸脱している取引」等が確認された場合には、不審取引として記録され、必要に応じて金融当局(例:警察庁経由で金融庁)へ報告します。

10. 経済制裁と制裁リストの遵守

当社は、国連、OFAC(米国)、EU、日本などの制裁リストに基づいて、取引先(教育機関、送金人、関係者)を適宜スクリーニングし、制裁対象者との取引を回避します。

制裁リストチェックは、信頼性のある外部データベース(例:World-Check)を用い、定期的に全顧客と取引に対して実施する。

11.外国PEP(Politically Exposed Persons)への対応

外国PEPおよびその親族・密接な関係者については、強化された顧客審査(EDD)を行い、上席者の承認を要する。

12.電子送金のメッセージ情報管理

全ての送金について、送金人・受取人の識別情報をSWIFT等メッセージに正確に反映し、送金トレース性を確保する。

13. 社内教育とガバナンス体制

当社では、AMLに関する基礎知識を習得するため、定期的に社内研修を実施し、担当部署のスタッフはKYC審査および不審取引対応に関する実務トレーニングを受講しています。

AMLポリシーの遵守状況は、社内責任者のもと定期的にレビューされます。

14. 記録保持と情報管理

当社は、顧客情報(KYC書類)、取引履歴、不審取引調査記録などを、取引終了日より最低5年間保管します。これらの情報は、監督当局の要請に応じて提供可能な形で保存されます。

15. 改定とレビュー

本ポリシーは、法令の改正、業務内容の変更、外部監査結果等を踏まえて、原則として年1回以上見直され、必要に応じて修正・更新が行われます。